プロジェクトセンター、始動。ここから新たな文化が生まれる!
2023年10月、株式会社イセトー(以下、イセトー)は、社員の柔軟な働き方やさらなるコミュニケーション促進による新たなサービスの創出、地域とのつながりを大切にした人材雇用などを目指し、神奈川県相模原市緑区にプロジェクトセンターを開設しました。同センターに込めた当社の想いやコンセプト、施設概要などについてご紹介します。
社員のスキルアップを目指し、新たな文化形成の場をつくる
イセトーは金融機関を中心とするお客さまに対し、通知状の制作や発送、返信受付など、紙によるコミュニケーションを主体としたソリューションを長年にわたって提供してきました。しかし近年、ITの普及やDXの加速などに伴い、デジタルを活用したソリューションの融合が求められるようになっています。
そうした中で、先進的なソリューションをお客さまに提供し続けるには、発想力や思考力、技術力などすべてにおいて社員のスキルアップが不可欠だと考えました。そして、そのために新たな文化を形成できる場――柔軟で多様な働き方ができる場、部門を越えたコミュニケーションが持てる場、地域の人たちとつながれる場――を創造し、社員の意識改革やモチベーション向上を図ることにしたのです。こうして2023年早春、当社は新たな文化形成の場であるプロジェクトセンター設立に向けて動き始めました。
プロジェクトセンターのコンセプトは、「企画や営業、デザイナー、エンジニア、製造など、上流から下流までのすべてのメンバーがプロジェクトごとに集える場所」。部門横断型でコミュニケーションを活性化し、互いに助け合いながらプロジェクトを円滑に進めるとともに、プロジェクトメンバー間あるいは複数のプロジェクト間で知識やノウハウを共有することで新たなソリューションの創出を目指すことにしたのです。
設立の地として選んだのは、神奈川県相模原市に位置し、JR・京王線「橋本駅」から徒歩圏内にある場所。開発・営業拠点である東京本社から行きやすく、当社最大の製造拠点である情報処理センターからも近いことから、上流から下流までのメンバーが集うのに最適です。また、60年近くにわたって製造拠点を神奈川県の県央地区に置いてきたことからこの地区に居を構える社員も多く、同地区に格別の想いがあることも理由の1つでした。
目指すは「自然と人が集まりたくなるコミュニケーションの場」
「企画や営業、デザイナー、エンジニア、製造など、上流から下流までのすべてのメンバーがプロジェクトごとに集える場所」――。このコンセプトを実現するため、プロジェクトセンターの整備にあたっては、「①自然と人が集まりたくなるコミュニケーションの場」「②地域に根差し、地域に開かれた場」の2つをキーワードとしました。
「①自然と人が集まりたくなるコミュニケーションの場」については、例えば一見プロジェクトに関係がないような会話ができたり、オープンな空間で自然に顔を合わせ人となりを知ることができたりなど、従来型のオフィスやテレワークでは実現が難しいコミュニケーションを誘発していきたいと考えています。そして、こうしたキーワードやそのための空間デザインを社内外に広報することで、新たな文化形成と雇用創出を促します。
「②地域に根差し、地域に開かれた場」については、働き方の多様化などに伴い、働く場所や住む場所へのこだわりが以前よりも強くなっていると感じます。そのため、開発・営業拠点で働くか、製造拠点で働くかの2択ではなく、県央地区という地域に根差したもう1つの拠点を設立することにより、社員に柔軟で多様な働き方を提供するとともに、社員に地域への愛着をさらに深めてほしいと考えています。
また、当社の従来の文化でもある“守り・堅実”に加え、“攻め・わくわく”といった新たな文化を形成したいという想いも込めています。当社は金融機関を中心としたお客さまが保有する個人情報を取り扱うため、高度なセキュリティや堅牢なシステムなどお客さまのハイレベルな要求に応える万全な体制を構築してきました。
そうした“守り・堅実”という文化は当社の強みですが、一方でWeb開発における果敢な挑戦、わくわくするような新規プロジェクト、地域の人たちとのコラボレーションなど、“攻め・わくわく”という新たな文化も生み出していきたいと考えています。そのため、地域人材の雇用をはじめ、インターンシップの実施、社内外の知見を生かしたワークショップの開催などを通じ、地域の人たちとのコラボレーションを創出していきます。
社員と一緒になってつくり上げたプロジェクトセンター
では、ここからプロジェクトセンターの空間デザインなどについてご紹介しましょう。空間デザインについては、県央地区にゆかりのあるデザイナーに依頼するとともに、社員のさまざまな要望やアイデアを取り入れながら、社員と一緒になってつくり上げていきました。そうして完成したプロジェクトセンターは「わいわいゾーン」「会議室ゾーン」「集中ゾーン」の3つに分かれており、それぞれ以下のようなデザインや工夫を施しています。
●プロジェクトセンター全体
「地域に根差し、地域に開かれた場」というキーワードを具現化するため、地域の特色を空間デザインとして表現することを目指しました。県央地区は山々がなだらかな階段状になっており、その間を川が流れる自然豊かな場所。そこで、天井をスケルトンにしたり、吊り下げ照明を採用したりすることで階段状の山々を表現するとともに、空間の中央部分になだらかな曲線を描く壁を配置することで山々の間を流れる川をイメージしました。
●わいわいゾーン
「わいわいゾーン」は、これまでになかった価値を創造する空間として、わいわい声を出してコミュニケーションを楽しんでもらえる空間づくりを目指しました。そのため、カフェのような開放的なスペースにするとともに、偶発的なコミュニケーションのきっかけづくりとしてあえてバーカウンターにしかダストボックスを置かないなどの工夫を施しています。
また、ゾーンの一角には、社員の希望を反映した「寝転びエリア」を設置。寝転びながらパソコン作業をしたり、リラックスしながら企画を立案したりすることができます。
●会議室ゾーン
会議室は4部屋あり、それぞれ相模原市の「木(欅)」「花(紫陽花)」「鳥(ひばり)」「色(緑)」の英字表記を室名としました。当社ではお客さまにご提供するサービスの一環としてユニバーサルデザインを推進しており、この室名表示についてもユニバーサルフォントを使用し、ユニバーサルデザインの専門家である社員監修のもとで仕上げています。また、ドアをガラス張りにするなどにより、明るく開放的な会議室としました。
●集中ゾーン
「集中ゾーン」は、各自が作業に熱中・没頭できるゾーンです。そのため、周りの人の動きなどが気にならないようにデスクの間隔を広く取る、スタンディングデスクや1人用の作業ブースを設けるなどさまざまな施策を施し、社員一人ひとりが自分のスタイルに合った作業スペースを自由に選択できるようにしています。
当社では、プロジェクトセンターを通じ新たな文化を形成することで、社員の柔軟で多様な働き方やスキルアップを促進していきます。同時に、地域に開かれたさまざまなイベントも計画し、地域の人たちとのコラボレーション創出にも積極的に取り組んでいきます。